
会社員として畑を続けるということ
会社に勤めながら畑を続けるというのは、想像していた以上に大変でした。(…なかなか大変です…)
朝は目覚ましが鳴った瞬間から時間との勝負です。
コーヒーをゆっくり飲む余裕もないまま外へ出て、朝の天候を確認しつつ、庭の周辺を見回り。
「あー、また草が伸びてきたなぁ…」とか、「木の枝が茂ってきたなぁ…」とか、やらなきゃならない項目をぼんやり考えつつ、うろうろ。
日が昇って暑くなる前にハウスの袖を開け通気・換気。ハウスの中に植えた野菜たちを眺め、「ああ、水やりしなきゃな」とおもむろに蛇口をひねる。
一定時間開けたら次の列へ水やり。…何度か繰り返さなきゃならない。
平日は会社。農業に集中できるのは休日だけ。
そうこうしている間に出勤準備の時間が来る。
「ありゃ!水止めるの忘れた!」なんてことはよくある話。
そんなこんなで週末が近づき、気になってた雑草の処理とか次の作付けの準備の事とかで頭がいっぱいに。
もちろん天気予報にも意識が行って、週末の天気が雨だと一気にテンションが下がる…
せっかくの休みでも天候に左右され、思うように作業が進まない日も多いのです。
思うようにいかないことが多すぎるぅ…
会社に行けば、今度は帰りの時間が読めません。
会議が長引けば、太陽は容赦なく沈んでいく。
ハウスの中は昼間の熱気がこもり、土は乾き、苗はしおれかけているかもしれない。
そんな不安を抱えながら会社勤めも続けなきゃいけません。
やることは水やりだけではありません。
ハウスの開け閉め、温度管理、除草、肥料のタイミング…。
畑を続けるというのは、思っていた以上に「やることの連続」です。
仕事もある。家のこともある。
その中で畑に使える時間は限られているのに、植物は待ってくれない。
ここに、会社員として畑を続けるジレンマがあります。
そんな日々の中で、私の頭に居座るようになったのが、
「一人で全部こなす方法はないだろうか」という問いでした。
「どうにかしたい」から始まった試行錯誤
農業も電気工作も、最初の私はまったくの初心者でした。
そう、最初からできる人なんていない。いつも自分にそう言い聞かせています。
だからこそ、最初から完璧な仕組みを作ろうとは思っていませんでした。
ただ、毎日のようにこう考えていました。
「このままじゃ続けるのもしんどい。でも畑は続けなきゃいけない」と。
ご先祖さんが残してくれた田畑を荒らすわけにはいかない。
その思いが、私を動かしていました。(それは今になっても変わらずに思っています。)
そこで最初に手を伸ばしたのが、市販の散水タイマー。
ホームセンターでよく見かける、蛇口に取り付けるタイプのものです。
「これで少しは楽になるかもしれない」
そんな期待を込めて導入しました。
実際に使ってみると、確かに便利でした。
決まった時間に自動で水が出るだけでも、精神的な負担はかなり減ります。
しかし、しばらく使っているうちに限界が見えてきました。
- 畝ごとに水量や時間を変えたいのに、1系統しかない
- 季節によって水やりの回数を変えたいのに、設定が単純すぎる
- 雨の日や猛暑日に柔軟に対応できない
頭の中には、なんとなく理想の動きがありました。
「夏は朝夕の2回」「雨の翌日は止めたい」
「この畝は短め、この畝は長めに水を出したい」
しかし、市販タイマーではどうしてもそこまで踏み込めません。
そこで私は、少しずつ「自分で仕組みを作る」という方向に興味を持ち始めました。
電気工作の世界に足を踏み入れる
正直に言えば、最初は不安のほうが大きかったです。
リレーって何? ソレノイドバルブってどう動くの? 配線ってどうやるの?
調べることは山ほどありました。
それでも情報を集めていくうちに、
「これなら自分でもできるかもしれない」という感覚が芽生えてきました。
「こうしたらどうだろう?」
そんな問いを自分に投げかけながら、一歩ずつ進んでいくイメージです。
市販タイマーを使いながら、その周りに少しずつ機能が追加できないか模索する日々。
もう少し高機能なタイマーに取り替えたらどうなんだろうとか、もっと他のことはできないのかな?とか。
単純に部品を買い換えてうまくいったこともあれば、前のほうがいいじゃん!って、思い切り失敗したこともあります。
それでも試行錯誤を重ねるうちに、自分でしくみから作っていったらもっと楽しいんじゃないか?もっと自由なんじゃないか?と思うようになりました。
いろんな本を読み漁って、何とか自分のものにしようと大奮闘です。
徐々にではありますが、「とりあえず自動で水やりが回る仕組み」は形になっていきました。
朝の水やりに追われることも、帰りの時間に怯えることも、少しずつ減っていきました。
「完璧ではないけど、自分の分身が畑の面倒を見てくれている」
そう思えたとき、正直ほっとしました。
仕組みはできた。でも、欲が出てくる
ところが、人間というのは欲張りなもので、
一度仕組みが動き始めると、今度は別のことを考え始めます。
使っていくうちに、こんな思いが出てきました。
「もっと柔軟に制御できないだろうか」
「畝ごとに細かく設定したい」
「季節や天候に合わせて自動で変わってほしい」
「遠隔で操作できたら、もっと安心できる」
限定された機能を量産品として市販されているものを寄せ集めた組み合わせでは「自分の意図する方向へ拡張するには限界がある」と気づきました。
「今の仕組みでも困らない」と言えば、確かにそうかもしれません。
でも、どうしても頭から離れないのです。
「もっと自分の畑に合った、しっくりくるやり方があるはずだ」という感覚が。
そして、なにより、モノを作る、創り出すのは——ロマンです。
あれもこれも自動化できるようになっていく。
想像と現実がより近づいていく。
この部品とあれを組み合わせれば…と妄想がどんどん膨らんでいく。
その時間が、驚くほど楽しいのです。
応用編へ踏み込む理由
そこで私は、さらに一歩踏み込んで、応用的なやり方を模索し始めました。
もっと自由に、もっと柔軟に、もっと自分の畑にフィットする仕組みを作るために。
ここから先は、いわば「応用編」の世界。
試して、失敗して、また試して。
最終的に実現できたら最高じゃないですか。
ベジボルトというブログの役割
ベジボルトは、
「最適解にたどり着くまでの道のり」と「最終的に選んだ方法」をまとめていくブログです。
電気設備を使って農作物を作っていく
ただの失敗記録でもなく、上から目線の解説でもありません。
私は専門家ではありませんが、だからこそ伝えられることがあります。
会社員として時間に追われながら、それでも畑を続けたいと考えている人間が、
「こうしたらどうだろう?」と模索しながらたどり着いた答え。
それを、同じ悩みを持つ人に向けて、できるだけ具体的に共有していきたいのです。
もしあなたも、仕事と畑の両立に悩んでいたり、
一人で農業を回す工夫を探しているなら、
このブログの内容はきっとどこかで役に立つはずです。
ここで紹介する方法は、「こうしなければならない」という正解ではありません。
あくまで私が試行錯誤の末にたどり着いた、「今のところ一番しっくりきているやり方」です。
自身の畑や生活に合わせて、自由にアレンジしてもらえたら嬉しいです。
そんな思いを込めて、ベジボルトというブログを立ち上げました。
ここから少しずつ、私がたどり着いた仕組みや考え方を記事として整理していきます。
このブログが、あなたの畑にも新しい可能性をもたらしますように。