この記事はこんな人に向けて書いています
・仕事が忙しくて毎日の水やりが負担
・畑を続けたいけれど、時間が足りない
・自動散水を導入したいが、何から始めればいいかわからない
・市販の簡易タイマーでは物足りない

私は会社員として働きながら畑を続けていますが、
「水やりのために生活を合わせる毎日」 に限界を感じていました。

実際は水やりだけではないのだけど…

そこで、電気と自動化の知識を組み合わせて、
一人でも畑作業の一部を自動化できる「自動散水システム」 を構築しました。

この記事では、その全体構成を“最短で理解できる形”にまとめています。

 

自動散水は以下にあげる3つであてはまる場所から導入していくと効果が高く、実感があると思います。

  1. 毎日の水やりが負担になっている場所、範囲
  2. 水やりを忘れると枯れやすい植物・作物を栽培している場所
  3. 畑が複数あり、移動が負担になっている場所

 

この記事でわかること
・自動散水システムの全体構成
・必要な部材と役割
・導入ステップと注意点

まずは全体像をつかむことで、理解しやすくなります。


1. 自動散水システムは「4つの要素」でできている

POINT:自動散水は、次の4つの要素で構成されるシンプルな仕組みです。
  • 水源(タンク or 水道)
  • 配管(ポリ管・ドリップ・スプリンクラー)
  • 電磁弁(DC24V)
  • 制御盤(タイマー+リレー)

「自動散水」を要素ごとに切り離して考えてみると、実際には上記のような4つで構成できます。


2. 全体構成を図でイメージする

水源(タンク・水道)
        ↓
配管(ポリ管・ドリップ)
        ↓
電磁弁(DC24V)
        ↓
制御盤(タイマー+リレー)
        ↓
自動で散水開始・停止

3. 各パーツの役割

3.1 水源(タンク or 水道)

水道直結:水圧が安定しており、広い畑でも対応可能
タンク式:肥料を混入して散水することも容易、また停電時も安心

水道に直結していれば、必要なときに必要なだけ水が供給されます。

通常、皆さんが水道の蛇口をひねると水が出て、必要無くなったら蛇口を閉じる。まさにこれです。

水道は水圧も安定しており、特に難しいことを考える必要もなく、水道にホースをつなぐ感覚で使用できます。

水道がない場所ではタンクを使用する方法をとるしかありません。

水道直結と違って、もう一工夫必要になるかもしれません。

その場合、高低差を利用した自重落下で水を流す方法とポンプでタンクからくみ上げる方法の2つが考えられます。

タンクからの汲みあげは少し構成が変わりハードルも上がりますので、第一段としては水道からの供給、あるいは高低差を利用したタンクから供給で進めていきます。

ポンプでの汲みあげは今後のオプションで計画しようと思います。(時期はわかりませんが…)

3.2 配管(ポリ管・ドリップ・スプリンクラー)

  • ポリ管+ドリップチューブ:畝ごとに均一散水
    • ポリ管(ポリエチレン管)は幹線(メイン配管)用で水道配管として水を ”運ぶ” 役割、ドリップチューブは支線(散水する部分)で使用します。
      接続の流れとしては、蛇口 → ホース → 電磁弁 → ポリ管 →(分岐)→ ドリップチューブ となります。
    • ポリ管はポリエチレン製なので水圧に強く、曲げても折れにくい特性があります。
      長距離でも引くことができ、電磁弁や継手とも相性がいいです。
    • ドリップチューブは作物の根元に水を落とすための細いホースです。
      チューブの途中に点滴口(エミッター)が等間隔でついていて、そこから水滴が出る仕組みです。
      畝に沿ってチューブを敷き、水がゆっくり均一に出るイメージです。
  • スプリンクラー:広い面積向け
    • 圧力をかけた水をノズルから散水し、ほ場全体に雨のように均一に水を与える灌水装置です。
      畑や果樹園、牧草地などでのかん水、省力化、均一な水管理のために広く利用されます。
    • 基本的な役割
      ほ場全体に均一に散水し、作物の生育を安定させる
      手まきに比べて省力化・省人化ができる
      乾燥時のかん水や、霜害軽減(防霜)にも利用される場合がある
  • ミストノズル:育苗・ハウス内の湿度管理
    • ハウス内などで水や養液を微細な霧状(ミスト)にして散布し、冷却・加湿・農薬散布・施肥などを効率的に行うための専用ノズルです。
      主にビニールハウスや畜舎で使われ、ノズル径や噴霧量を用途に応じて選びます。
    • 水や希釈した農薬・液肥を微粒化して噴霧する部品
    • 使用時の注意として、ノズルの仕様などをよく確認し、必要な水圧を安定的に確保する必要があります。
      また、非常に小さい穴からの噴霧になるので、液体にゴミが混入しないようフィルターを付けるなどが必要になります。

3.3 電磁弁(DC24V)

散水のON/OFFを行う心臓部。

  • 弁が開閉することで流体(空気・水・油など)の流れを制御するバルブです。
    電気信号を受けて流体の「開く/閉じる」を切り替えます。
  • ON/OFF制御が容易で応答が速く、自動機械や配管設備で広く使われます。
  • 人がバルブを回さなくても、電気信号を使って流量や通断を制御できます。
  • 農業用途では低い電圧で動作を制御したいので、DC24V電磁弁を採用します。

3.4 制御盤(タイマー+リレー)

制御盤とは、機械や設備を安全かつ自動的に動かすために、電気・電子機器をまとめて収めた箱形の装置です。
内部にはブレーカー、リレー、PLC、電源、端子台などが配置され、外部のモーターやセンサーと配線されて制御を行います。

  • 制御盤の基本的な役割
    接続された機器を自動運転・停止させる
    異常時に設備を安全に停止させる
    電源を分配し、過電流などから機器を保護する
    センサー信号を集め、PLCなどで論理制御する
  • 主な構成要素
    電源ブレーカー、漏電遮断器
    マグネットスイッチ、リレー、タイマー
    PLC(シーケンサ)、産業用PC
    端子台、配線ダクト、I/Oモジュール
    操作スイッチ、表示灯、タッチパネルなど
採用している構成
PT70DW(AC100Vタイマー)
MY2N(リレー)
端子台
DC24V電源

4. ベジボルト式自動散水機の強み(市販キットとの違い)

4.1 家庭菜園から農業までカバーできる耐久性

市販キットは家庭(菜園)用。
ベジボルト式の自動散水機は電磁弁 × リレーの組み合わせで耐久性が段違い。

4.2 系統数を自由に増やせる拡張性

作成する制御盤内は端子台とDINレール(ブレーカーやリレーなどをワンタッチで配置するためのレール)構成により、散水系統を必要に応じて段階的に拡張可能。

今回の計画では2系統の散水を行うためのものですが、必要に応じて更に系統数を増やしたりできます。

更に、応用として温度や明るさなどの条件を追加した制御を行っていけるよう機器を増設する改造を加えていくことも可能です。

これは市販キットでは実装されていない機能を拡張していけるということになります。

4.3 故障時の切り分けがしやすい

端子台番号をシステム単位で統一することで、トラブルシュートが容易。

例えば、

A 系の電磁弁が動かない
もし端子番号がバラバラだと…

「この線どこから来てる?」

「この端子は何の系統?」

「A 系?B 系?共通?」

と、配線を目で追うところからスタートになります。

しかし、システム単位の端子番号なら…
A 系の電磁弁 → A+-1 / A−-1

A 系のリレー → A-3 / A-4

A 系のセンサー → A-S1 / A-S2

というように、“A”が付いている端子だけを追えばよい。

つまり、
A 系のトラブルは A 系の端子だけ見れば完結するということになります。

端子番号が体系化されていると、
制御盤の中が“地図化”されるイメージです。

A 系の問題 → A 系の端子だけ見ればいい

B 系の問題 → B 系の端子だけ見ればいい

電源系の問題 → 24V 系 or AC100V 系だけ見ればいい

これにより、
故障箇所の切り分けが速くなります。

 

市販品のキット(コントローラー)の場合、故障=キットの買い替えとなってしまいますが、デジボルト式自動散水機の場合は故障個所の部品交換だけで済みます。

4.4 コストを抑えつつ“設備化”できる

デジボルト式自動散水機の必要部材はAmazonで揃えられるもので構成しています。

市販のコントローラー(散水機)はあらかじめ出来上がっている機構や機能の中でしか稼働しません。

それと比較すると、より柔軟で拡張性があり、長期的に使用することを考慮すると将来的なコスパも良好だと思います。


5. 無資格の人でも作れるのか?(安全と資格について)

電磁弁とか制御盤という言葉が出てきましたが、いったい何のことかわからんという人もいると思います。

資格もなしにそんなものができるのか?という疑問もあると思います。

資格が有ると無いとでは確かに扱える内容も変わってきますが、どこからどこまでは無資格でもできるのかを知っているだけでも、自分でやってみたい方には必要な情報なのではないでしょうか。

重要:
DC24V部分 → 無資格で作業OK
AC100V部分 → 電気工事士の資格が必要
今回紹介しようとしている「自動散水機」は、資格がなくてもできる範囲での構成を目指しています。
とにかくやってみたい人向けといっていいのかな。
AC100V(商用電源)に直接触れる工事をすると違法になります。
電気工事士法が規制しているのは「電気工作物の工事のうち、電路に直接する工事」、ここでいう電路とはAC100V以上の商用電源のことを指します。
デジボルト式自動散水機について
  • AC100Vはコンセントからプラグ供給
  • 盤内はDC24Vが中心
  • AC100Vの配線工事を最小限に

 

合法・違法の境界線

作業内容 資格 理由
DC24V の制御盤を作る 不要 弱電扱い
リレー・電磁弁の配線 不要 弱電
タイマー(PT70DW)をコンセントに挿す 不要 工事ではない
AC100V を端子台に入れる 必要 電路工事
壁のコンセントを増設 必要 電気工事
ブレーカーから電源を取る 必要 電気工作物

本記事で紹介する制御盤は、AC100V をコンセントからプラグで供給する方式を採用しており、DC24V の制御回路のみを扱うため、電気工事士の資格がなくても合法的に製作できます。

🔐 安全と資格:この仕組みは法律的に問題なく自作できるのか?

自動散水システムの制御盤というと、 「電気工事士の資格が必要なのでは?」 と不安に感じる人も多い。

結論から言うと——

本記事で紹介する制御盤は、電気工事士の資格がなくても合法的に製作できます。

理由はシンプルで、 本システムは AC100V をコンセントからプラグで供給し、盤内は DC24V を中心に構成している ため。

電気工事士法が規制しているのは “AC100V の工事”

電気工事士法では、 電路(AC100V 以上の商用電源)に直接触れる工事 が資格の対象。

つまり、以下のような作業は資格が必要になります。

  • 壁のコンセントを増設する
  • ブレーカーから新しい回路を引く
  • AC100V を端子台に直接配線する
  • 屋内配線を変更する

これらは 電気工事(電気工作物の工事) に該当するため、資格が必要。

逆に、今回の制御盤は “工事” に該当しない

本記事で扱う作業はすべて 資格不要の範囲 に収まっています。

  • DC24V の制御回路を組む(弱電扱い)
  • リレーや電磁弁を配線する
  • タイマー(PT70DW)をコンセントに挿す
  • AC100V はプラグで制御盤に供給するだけ

これらは 電気工事ではなく、機器の組み立て に分類される。

そのため、 資格がなくても合法的に製作できる。

安全性の観点でも“プラグ方式”が最適解

AC100V を盤内に引き込む際、

  • 壁から直接配線する
  • 端子台に AC100V を入れる

といった方法は資格が必要になるだけでなく、 初心者には危険が大きい。

そこで本記事では、 AC100V は必ずプラグ方式で供給する という設計方針を採用している。

これにより、

  • 法律的に安全
  • 作業ミスが減る
  • 盤の交換・移設が容易
  • 読者が真似しやすい

というメリットが得られる。

まとめ:誰でも安全に作れる散水システム

本記事で紹介する制御盤は、

  • AC100V はプラグ供給
  • 盤内は DC24V が中心
  • 電気工事士が必要な作業はゼロ

という構成のため、 初心者でも安全に、合法的に製作できる。

 

それでも資格は無いよりあったほうが確実だし安全です。

より安全にデジボルト式自動散水機を作成したい方必見、

「第二種電気工事士の資格を取ろう」を参照して資格取得に役立ててください。


6. この記事を読んだ後に進むべき記事


7. まとめ

この記事のまとめ
・自動散水は ①水源  ② 配管 ③ 電磁弁 ④ 制御盤 の4要素で構成される
・ベジボルト式自動散水機は耐久性・拡張性・コスパに優れる
・DC24Vは無資格で作業OK、AC100Vは「工事」するなら資格が必要
・会社員でも畑を“仕組み化”できる

次の記事では、メリット・デメリットを解説します。

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