自動散水システムを自作しようとすると、 最初に必ずぶつかる壁が 「どの部品を買えばいいのか分からない」 という悩みです。

ネットで調べても、 AC100VなのかDC24Vなのか、 リレーは何極なのか、 ソレノイドはどれを選べばいいのか── 情報がバラバラで、迷いやすい。

そこでこの記事では、 私が実際に畑で使っている VEGIBOLT方式(ベーシック版) の構成をもとに、 必要な部材を体系的にまとめました。

このリストは、単なる「部品の羅列」ではありません。

  • 実機で使っている型番をそのまま掲載
  • 用途・選定理由・注意点をすべて明記
  • 主要部品にはリンクを貼って、迷わず購入できるように設計(主にAmazon)
  • 代替品も併記して、予算や用途に合わせて選べるように配慮
  • 初心者でも“間違った部品を買わない”ように構成

今回のシステムの特徴である 「コイルはAC100V、接点側でDC24Vをオンオフする4極リレー構成」 も完全に反映しています。

これは、将来の拡張性を見込んで採用した実機の仕様で、 初心者でも安全に扱えるうえ、後から機能追加もしやすい構成です。

この記事を読めば、 自動散水システムに必要な部材が すべて一度で揃う ようになっています。

次の章から、用途別に部材を詳しく解説していきます。 そのまま購入しても、代替品を選んでも、どちらでも迷わないように配慮したつもりです。

 

自動散水システム(VEGIBOLT方式)必要部材一覧

このリストは、AC100Vコイル・DC24V負荷のVEGIBOLT方式ベーシック構成を前提に、
制御盤内の結線をすべて端子台経由で作成するために必要な主要部材を網羅しています。
・どの電線にどの圧着端子を使うか
・どの系統にどの端子キャップを使うか
まで明記してあります。

1. 電源部(AC100V → DC24V)

使用部位 品名 型番 メーカー 数量 用途 代替品 注意点
電源部 スイッチング電源 LRS-50-24 MEAN WELL 1 AC100V→DC24V変換(主電源) LRS-35-24 ソレノイドの定格電流に合わせて容量を選定する
電源部 露出型コンセント WK1012WP Panasonic 1 制御盤へのAC100V供給 他メーカー可 屋外使用時は防雨型を選ぶ
電源部 VCTFケーブル 2芯(白・黒) 1.25sq JAPPY 1 AC100V受電ケーブル 0.75sqでも可 白=N(ニュートラル)、黒=L(ライン)で配線する
電源部 WAGO端子台 2002シリーズ WAGO 12〜15 AC100V・DC24V・制御・負荷系の分岐・棒端子での接続(WAGO 2002シリーズ)、丸やY端子での接続(ターミナルブロック式) 他社端子台 DINレールに並べて使用し、後述の端子キャップで色分けする

他社端子台ではターミナルブロックの端子台もあります。こちらを使用する場合には10極6極あるいは10極×2を準備する必要があります。

DINレールを使用する仕様のものとビス止め仕様のものがあります。機能は変わりませんのでどちらを選んでも問題ありませんが、拡張時の融通はWAGO 2002シリーズとは異なります。

電源部 エンドプレート 2002-109 WAGO 2 端子台列の端部固定 同等品 端子台の横ズレ防止のため必須
電源部 エンドクランプ 2002-149 WAGO 1〜2 端子台列のDINレール固定強化 同等品 振動や配線張力による端子台の移動を防ぐ

2. 制御部(タイマー・リレー)

使用部位 品名 型番 メーカー 数量 用途 代替品 注意点
制御部 タイムスイッチ PT70DW(AC100V) Panasonic 1 散水時間の自動制御(AC100V出力) PT70DL 出力はAC100V。リレーコイルを直接駆動する
制御部 4極リレー(AC100Vコイル・ランプ付き) MY4 / LY4系 OMRON 1 コイル100Vで動作し、接点でDC24Vをオンオフ MY2N(2極) NO(ノーマルオープン)1極のみ使用し、残り3極は拡張用とする
制御部 14ピンソケット PYF14A OMRON 1 4極リレー用ソケット PYF14A-E 8ピンソケットとは互換性がないため型番に注意
制御部 DINレール(35mm) なし オーム電機 1 リレー・端子台の固定 他社DINレール 盤サイズに合わせて長さを選定する

3. 内部配線(AC100V系・DC24V系)

使用部位 品名 型番 メーカー 数量 用途 代替品 注意点
内部配線 KIV配線(AC100V補助線) 2.0sq FKK 適量 AC100V系の盤内配線(タイマー・リレーコイル) VCTF切り出し AC100Vは必ず1.25sq以上を使用し、丸端子で機器に接続する
内部配線 KIV配線(DC24V主配線) 1.25sq FKK 適量 DC24V電源→端子台→リレー接点→ソレノイド 0.75sq(短距離) 赤=+24V、黒=−24Vで統一し、棒端子で端子台に接続する
内部配線 KIV配線(補助線) 0.75sq 任意色 FKK 必要時 拡張用制御線・短距離信号線 1.25sq 補助線は棒端子E0.75を使用し、細線用キャップで端子台に接続する

KIV線は特に色識別をしなくても以下の 5.端子キャップ(マーキングキャップ)で識別しますので同一色で問題ありません。

一般的に制御盤内の配線は黄色のKIV線でOKです。

0.75sqは拡張用制御線・短距離信号線として記載していますが、1.25sqで代用可能ですので特に購入の必要はありません。

電線の必要量は適量としていますが、リンクでは30mとかなり長めにしています。実際にはそこまで多くは使用しませんが、練習や予備を兼ねて上記のような数量にしています。

配線の取り回しによる違い、やり直し、拡張時の利用なども考慮しています。

AC100V系

① 許容電流の余裕

KIV 2.0sq の許容電流は 22A。 タイマー PT70DW やリレー MY4 のコイル電流は 数十 mA 程度 なので、 電流容量としては完全に余裕があります。

② AC100Vは「太めが安全」

AC100Vは感電リスクがあるため、 盤内では 1.25sq 以上が推奨される。 2.0sqならさらに安全側よりです。

③ 端子の適合性

PT70DW・MY4 のネジ端子は 1.25〜2sq の丸端子が最適。 2sqは端子の許容範囲内で、圧着も確実です。

DC24V系

① 許容電流(16A)が十分
ソレノイド 2W-200-20 の消費電流は 0.5〜0.8A 程度です。
KIV 1.25sq の許容電流 16A は十分すぎるほど余裕があることになります。

② DC24Vは電圧降下が重要
細すぎる線だと電圧降下が起きますが、1.25sqなら距離が短い盤内では問題ありません。

電圧降下についての説明は次のリンクから。電圧降下とは…

 

4. 圧着端子・圧着工具

使用部位 品名 型番 メーカー 数量 用途 代替品 注意点
圧着端子 丸端子 R2-4S ニチフ 1セット タイマー・リレー・ソレノイドなどネジ端子への接続 他社同等品 本配線は丸端子を基本とし、確実にネジで固定する
圧着端子 Y端子 Y1.25-3.5K ニチフ 少量 試験用・頻繁に外す可能性のある端子接続 他社同等品 本番配線では丸端子推奨。Y端子は必要に応じて使用する
圧着端子 棒端子 TC1.25-11S ニチフ 1セット WAGO端子台へのKIV配線接続等 他社同等品 サイズを間違えない
工具 圧着工具 MH-5S マーベル 1 丸端子・Y端子・棒端子の圧着 ホーザン P-706 適切な圧着工具を使用し、不完全圧着を防ぐ

KIV線に端子を圧着する必要がありますが、その際に使用するのが圧着工具です。

ペンチでつぶす、ハンマーでつぶすなど考えてしまいがちですが、圧着端子を利用して電線の接続箇所を処理する際には必ず圧着工具を使用してください。

これは目に見えない電気を安全に扱うために非常に重要なポイントです。

適正に圧着されていないと、感電や火災などを引き起こす原因になります。

5. 端子キャップ(マーキングキャップ)

系統 品名 型番 メーカー 数量 対応電線サイズ 用途 注意点
AC100V L 赤キャップ(標準) 2002-110 WAGO 必要数 2.0sq AC100Vライン(黒線)の端子台識別 AC100V系とDC24V+で赤を共用する場合はラベルで補足する
AC100V N 青キャップ(標準) 2002-111 WAGO 必要数 2.0sq AC100Vニュートラル(白線)の端子台識別 白線=Nとキャップ色を対応させる
DC24V + 赤キャップ(標準) 2002-110 WAGO 必要数 1.25sq DC24V+(赤線)の端子台識別 電源+とリレー接点入力側などに使用する
DC24V − 黒キャップ(標準) 2002-112 WAGO 必要数 1.25sq DC24V−(黒線)の端子台識別 電源−とソレノイド−側などに使用する
制御系(リレー接点) 黄キャップ(標準) 2002-113 WAGO 必要数 1.25sq リレーNO接点の入出力端子識別 制御系の24Vラインを他系統と区別する
負荷系(ソレノイド) 緑キャップ(標準) 2002-114 WAGO 必要数 1.25sq ソレノイド接続用端子台識別 負荷系の端子を一目で分かるようにする
補助線 細線用キャップ 2002-110〜114-F WAGO 必要数 0.75sq KIV0.75sq用端子台識別 細線用キャップ(-F)は0.75sq専用として使い分ける

6. 出力部(ソレノイド・端子台)

使用部位 品名 型番 メーカー 数量 用途 代替品 注意点
出力部 ソレノイドバルブ(DC24V) DC24V 3/4インチ DN20 常時閉止型電磁弁 Lxwraptorial 1 散水ラインの開閉 2W-160-15 DC24V専用。AC100V用ソレノイドと混同しない
出力部 ソレノイド接続用端子台 2002シリーズ+緑キャップ WAGO 2 ソレノイド+/−の短仕上げ 他社端子台 ソレノイド側は丸端子で配線し、端子台経由で結線する

7. 配管部(散水ライン)

使用部位 品名 型番 メーカー 数量 用途 代替品 注意点
配管部 ホースニップル(G3/4) 20A カクダイ 2 ソレノイド出口をホースへ接続 25A ネジ部は必ずテフロンテープを巻いてから締め付ける
配管部 テフロンテープ シールテープ カクダイ 1 ねじ接続部の水漏れ防止 他社同等品 巻き方向をねじの締め方向に合わせる
配管部 散水ホース(内径15mm) ホースリール用 タカギ 1 散水ライン 内径12mm ソレノイド出口の口径に合わせて内径を選定する
配管部 二口分岐 7015 カクダイ 1 散水ライン分岐 三口分岐 分岐数を増やすと圧力低下が起こるため注意する

8. 盤内整線・固定部材

使用部位 品名 型番 メーカー 数量 用途 代替品 注意点
付属品 配線ダクト なし オーム電機 1 盤内の配線整理 他社同等品 盤サイズに合わせて幅・高さを選定する
付属品 ケーブルタイ なし ヘラマンタイトン 1袋 配線固定 ダイソーなど 屋外使用時は耐候性タイプを選ぶ

自動散水システム(VEGIBOLT方式)構成

自動散水システムを自作する際に最初の壁となるのが、 「電気の流れがどうなっているのか」「どの部品がどこに接続されるのか」 という基本構造の理解です。 部品の型番を調べても、AC100VとDC24Vが混在していたり、 リレーの極数が複数あったりして、混乱しやすい部分です。

そこで本記事では、VEGIBOLT方式の自動散水システムを構成する 電源 → タイマー → リレー → ソレノイド という一連の流れを、分かりやすく整理します。

この記事では、実際に稼働している散水盤の構成をベースにしており、 机上の理論ではなく「現場で確実に動く構成」をそのまま反映しています。 部品選定の理由や電圧の扱い方も含めて説明するため、 迷わず理解できる内容になっています。

■ ① AC100V受電(VCTF 2芯)

システムの起点となるのは、家庭用コンセントから供給される AC100V です。 ここでは、柔らかく扱いやすい VCTFケーブル(白・黒) を使用します。 VVFのような単線ケーブルではなく、より線のVCTFを使うことで、 盤内への引き込みや端子台への接続が容易になります。

VCTFの白線=N(ニュートラル)、黒線=L(ライン)として扱われ、 この2本がタイムスイッチへ入力されます。

■ ② タイムスイッチ PT70DW(AC100V)

AC100Vは PT70DW(パナソニック) に入力されます。 このタイマーは設定した時刻になると AC100Vをそのまま出力する 仕組みです。 つまり、タイマーは「100Vのスイッチ」として働きます。

ここでよくある誤解として、 「タイマーが24Vを出力するのでは?」というものがありますが、 実際にはタイマーは 100Vを出力し、その100Vでリレーのコイルを動かす だけです。

この構成により、タイマー自体はシンプルなAC100V機器として扱えます。

■ ③ リレー(4極・AC100Vコイル・ランプ付き)

タイマーから出力されたAC100Vは、 4極リレー(MY4 / LY4系) のコイルへ入力されます。

リレーは内部で「コイル」と「接点」が完全に絶縁されており、 コイル側が100Vであっても、接点側で24Vを扱うことができます。 これが “コイル100V × 接点24V” の構成が成立する理由です。

4極リレーは4つの独立したスイッチを持ちますが、 実際に使用するのは NO(常開)1極のみ です。 残りの3極は、散水系統の追加やLED表示など、 後から機能拡張する際に利用できます。

また、ランプ付きリレーを採用することで、 コイルが動作しているかどうかが一目で分かり、 トラブル時の確認が非常に楽になります。

■ ④ DC24V電源(LRS-50-24)

リレーの接点側には DC24V電源(LRS-50-24) を接続します。 この電源はAC100VをDC24Vに変換する役割を持ち、 ソレノイドや制御系の主電源として機能します。

配線には KIV 1.25sq を使用します。 より線で柔らかく、端子台やソレノイドへの接続が容易です。

リレーの接点が閉じると、この24Vがソレノイドへ流れ、 散水ラインが開く仕組みです。

■ ⑤ ソレノイドバルブ(DC24V)

最後に、リレー接点からのDC24Vが ソレノイドバルブ(2W-200-20) に供給されます。 ソレノイドは電磁弁で、電気が流れると内部のプランジャーが動き、 水路が開閉します。

DC24VソレノイドはAC100Vソレノイドより安全で扱いやすく、 盤内の電圧を24Vで統一できるメリットがあります。

項目ごとの要点

① AC100V受電(VCTF 2芯)

・黒=AC100V(L)
・白=AC100V(N)
② タイムスイッチ PT70DW(AC100V)
・設定した時間に100Vを出力
・この100Vがリレーのコイルを動かす
③ リレー(4極・AC100Vコイル・ランプ付き)+14ピンソケット
・コイル:AC100VでON/OFF
・接点:DC24Vを切り替える
・使用した接点:NO(1極のみ)
・残り3極は将来拡張用
④ DC24V電源(LRS-50-24)
・赤=+24V(絶縁キャップ、あるいはテープなどで色識別しておくと今後の配線やトラブル時の対応の際に便利です。)
・黒=−24V
・リレー接点 → ソレノイドへ供給
⑤ ソレノイドバルブ(DC24V)
・リレー接点が閉じると24Vが流れ開く
・散水ラインを制御

■ 構成のポイント

この構成のポイントは以下の3つです。

  1. AC100Vは盤内に最小限だけ入れる(安全性)
  2. リレーは「100Vで動くスイッチ」として使い、接点で24Vを制御する
  3. 4極リレーを採用することで、将来の拡張性を確保する

これを理解すれば、 自動散水システムの電気的な流れが一気にクリアになり、 配線作業や部品選定で迷うことがなくなります。

記事4の部材一覧と合わせて読むことで、  「必要な部品が分かる → 仕組みが分かる → 配線ができる」 という流れを自然に作れるように設計しています。

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